2022年2月定例月議会一般質問議事録【外国人児童生徒等の教育に関する質問】
今議会においても、多くの方からのご要望等を頂いて質問を作成しました。ご協力、また傍聴してくださった皆様には心から感謝申し上げます。少しでも前進するよう引き続き取り組んでまいります。
【学びの保障 外国人児童生徒等の教育に関する質問】
Q.学びの保障について数点お伺いします。まず外国人児童生徒等の教育についてお伺いします。近年、本市における外国人住民が増加傾向にあります。それに伴い、日本語指導を必要とする児童生徒も増加しています。また日本への帰国者や国際結婚などの理由で、日本国籍ではありますが日本語指導を必要とする児童生徒も存在します。
外国人児童生徒等が、言葉のハンディから学習や交友関係に困難をかかえることがないよう、本市においても配慮や工夫がなされた教育政策を行うことが必要です。とりわけ日本語は漢字や片仮名の読み方が大きな障壁と言われており、教員やボランティア、保護者等を通じて教科書にルビをつけてもらう作業が大変だと聞いています。また日常生活ではあまり使用されない「学習言語」を理解することが困難であるとのご意見も伺います。
多くの課題を抱える外国人児童生徒等の教育支援ですが、昨今の状況を鑑み新しい取組を行う自治体が増えてきました。網走市や多治見市では、外国人児童生徒等に対し音声教材であるデイジー教科書を活用しています。デイジー教科書とは教科書をデジタル化したもので、音声付きであり、速度や文字の色や大きさも調整できます。また日本語能力レベルに合わせてルビをつけることも選択できます。教科書バリアフリー法の施行を機に提供されるようになったデイジー教科書ですが、活用する自治体が増えてきています。
本市では泉中、泉小、杜の里小の3ヶ所で日本語指導教室が開設されていますが、ぜひこうしたデジタル教材などを活用し、外国人児童生徒等に対する教育の充実を図って頂きたいと願います。そこで本市における外国人児童生徒等の教育に関するこれまでの取組と今後についてお伺いします。
野口教育長
A.本市の日本語指導教室におけるこれまでの取り組みと今後についてお答えいたします。本市日本語指導教室では日常会話の基礎やわが国の文化や生活習慣の理解を図るための学習、基礎的な教科用語を含む教科外学習を行っております。指導に当たりましては児童生徒一人ひとりの日本語習得状況や学習の進捗状況に沿った指導計画に基づいて大型テレビ、写真やイラスト、動画や一部音声教材などを用いながら学習内容の理解を深めております。加えてGIGAスクール構想に基づき今年度より整備されました一人一台の学習用端末等を有効に活用し今後も一人ひとりに応じたきめ細やかな指導に取組んでいきたいと考えています。
Q.一方、保護者も日本語による読み書きが困難なことから、学校からの配布文章が理解出来ないというケースが多く生じています。また通知表や進路相談など重要な保護者面談の際に学校側と意思疎通が図りにくいという課題もあります。日本語を不得意とする保護者に対して十分なサポートが必要です。保護者とのコミュニケーションの促進を図るためどのような取組をされているのかお伺いします。
A.保護者とのコミュニケーションを図るための取組についてですが、保護者とはおもに英語を使ってコミュニケーションを図っていますが、必要に応じて通訳機を活用し十分な意思疎通に努めております。また通知表わたしなどに際しての懇談では本市の日本語指導民間協力員の通訳を介して学習状況や学校生活の様子などをお伝えしております。
Q.地域連携型日本語・学習支援モデル事業についてお伺いします。
本市在住の外国人は各校下に散在しており、日本語教室が開催される泉小学校に通学するには保護者の付き添いが必要とされるため通室に困難が生じる場合があると伺っています。これまでも支援団体やボランティア団体がこうしたケースをサポートするために日本語学習支援を行ってきましたが、今後も外国人住民の増加が予想されることから対応が追い付かなくなってくるのではないかと思われます。今後は、学校やボランティア団体の日本語学習支援に加えて地域での支援も求められます。
今年度から本市では地域連携型日本語・学習支援モデル事業が実施されました。地域と連携し外国人住民の暮らしを支援することは、多文化共生のまちづくりを促進する観点からも重要であると考えます。モデル事業の地域連携型日本語学習支援を通じて、住民同士の交流が促進され、同時に日本人住民の多文化共生への意識啓発につながることも期待しています。今年度はモデル事業ということでしたが、外国人住民の暮らしやすい環境づくりや日本語学習支援のためにこの間どのような支援を行ってきたのか、またモデル事業の内容を振り返り、来年度はどのような取組を行うのかお伺いします。
鳥倉都市政策局長
A.地域連携型日本語学習支援モデル事業についてこれまでの支援と明年度の取組についてお答えをします。
今年度、本市におきましては支援ボランティアの育成を行うとともに10月からは毎月杜の里や大桑地区におきまして外国人児童が地域の生活環境に適応できますように大学や町会などと連携をしまして学校の授業とは別に日本語学習支援教室を開催してまいりました。
保護者の方からも地域の交流が深まる支援教室であると好評をいただいておりまして、この4月からは1年を通して支援教室を開催するとともに合わせて児童や保護者からの生活相談にも応じる予定としております。引き続き金沢SDGsが目指します日本人、外国人がともに暮らしやすい多文化共生のまちづくりを進めてまいります。
2022年03月01日 15:34