2022年9月定例月議会一般質問議事録【災害対策について】
こちらも地元2紙に大きく取り上げて頂きました。今後も災害対策に力を注いでまいります。
画像は週末のjazzストリートから。
以下議事録です
災害対策について数点お伺いします。
最初に初動対応ボックスについてです。
去る8月4日本市では局地的な豪雨により、29カ所で避難所が開設されました。伏見川と高橋川が氾濫危険水位を超えたことから地元の三馬小学校にも避難所が開設され、私は防災士の一員として駆け付けました。日中ということもあり、開設時に避難所に駆け付けることの出来た防災士は極少数でした。自営業で時間の融通の利く防災士でないと平日の昼間に避難所に駆け付ける事は出来ないとまず感じました。少ない人数で、避難所の設営を始めましたが、受付を設置するにも筆記用具は選挙の投票で使う鉛筆を学校からお借りするなど、消毒液、名簿、マニュアルと必要なものはあちこちから集めて揃えたのが実情です。また、防災倉庫にあった油性マジックは劣化し使えない状態で避難所の入口と受付に案内の紙を貼ることも出来ず後から場所が分かりにくかったとご指摘を頂きました。
避難者の方から一番多かった問い合わせは、水や食料はないのかという質問でした。新型コロナ対策により学校の給水機は使用出来ないと聞いていたため、そのことをお伝えすると80代のご高齢の方が豪雨の中、大きな道路を渡って学校の向かい側にあるコンビニまで水を買いに行かれました。受付を不在にして代わりにコンビニに行くことは出来ず大変心苦しい思いをしました。
避難所での新型コロナ感染防止のため、使用済みの機材を消毒する場面がありました。使い捨てビニール手袋もなく素手で、私物の除菌シートを使用して消毒を行わざるをえない状態でした。改めてコロナ禍における避難所の備蓄品について点検と見直しを繰り返しながら配備すべきだと実感しました。
避難者が続々といらっしゃる中で、マニュアルを読みながらゆっくり準備する余裕は時間的にも精神的にもありません。この日のために防災訓練や研修を繰り返し、スキルアップを図っていたつもりが、実際に運営すると反省点が多く今後の活動に大きな課題を残したのが現実です。
本市では今年度、避難所開設初動体制強化として初動対応ボックスを指定避難所に配備すると伺っています。災害時に避難所を迅速に開設するために必要な備品等を収納するとのことですが、ぜひ避難所運営の未経験者でも、初動対応ボックスを開ければ誰でも開設出来るよう分かりやすく必要な備品をしっかり揃えて頂きたいと思います。水や食料も防災備蓄倉庫に保管されたままでは意味がなく、初動体制時に準備が出来るよう、あらかじめ初動対応ボックスに入れておく必要があるのではないでしょうか。初動対応ボックスの大きさは分かりませんが、もし水や食料が入る大きさではないのなら、せめて高齢者や要配慮者の方達のために数本だけでも入れてほしいと思います。加えて感染症対策にも対応した中身にして頂きたいと願います。そこで初動対応ボックスの中身についてお伺いします。
(危機管理監)指定避難所に配備いたします初動対応ボックスには不慣れな方であっても迅速に避難所を開設することが出来るよう、その手順を記載した簡易マニュアルや建物の点検用チェックシート、避難者名簿等、消毒用アルコール、マスク等の感染症対策用品を収納することといたしております。これらの用品を一つのボックスにまとめておくことで迅速な避難者開設につなげることを目的としているものでございます。なお、飲料水や食料につきましても別途避難所に配備することといたしております。
次に防災備蓄計画についてお伺いします。
今年度、本市では防災備蓄計画を策定し今後の備蓄の在り方や更新周期等を定めることとなっています。
昨年の連合審査会では生理用品について「備蓄している生理用品は本市独自に更新時期を定めていない」と答弁がありました。メーカーが期限をうたっていない衛生用品に関しては、更新時期をあらかじめ設定し期限が切れる前に計画的に有効活用すべきであると考えます。
賞味期限が表示されている水や食料品に関しても、期限が切れる前に有効活用して頂き、加えて最近ではアルファ米もカレー味や五目味など色んな種類が出ていますが、アレルギー対応と使いやすい小分けタイプの備蓄にも配慮をお願いしたいところです。
また簡易トイレや携帯トイレなど災害時のトイレ数も不足しないよう計画をして頂きたいと思います。事前に想定避難者数に応じたトイレの必要数が確保されていると分かっていれば市民の皆さんも安心するはずです。
どこに何をどれだけ備蓄するのか、また市民への周知や啓発等、防災備蓄計画の考え方についてお伺いします。
(市長)防災備蓄計画の考え方についてのご質問です。本市ではコロナ禍において避難の在り方や避難所での感染対策が大幅に見直されたことを機に改めて防災備蓄計画を策定することといたしました。この計画では自助共助公助それぞれにおいて備蓄すべき物品やその数量についても検討することとしています。備蓄の考え方を明確にし、市民に周知することで本市における公的な備蓄に加え家庭や地域などでの自助共助による備蓄の推進を図っていきたいと考えております。
最後に避難所におけるLGBTQへの配慮についてお伺いします。
三馬小学校に開設された避難所で受付をしていた際に、受付票に性別欄があることに気づきました。
本市では2019年8月に「申請書等における性別記載欄設定ガイドライン」を定め、性別記載欄の必要性を点検し、法的に義務付けられたものや事務の性質上必要であるものを除き性別欄を廃止しています。8月4日の豪雨の際、各避難所では受付票は独自のものが使用されたケースや、逆にそもそも利用しなかった所もあったと伺っていますが、こちらもプライバシーや人権に配慮した受付票で統一して頂けると各避難所共通して配慮が行われることになるのではないかと思います。
また2020年3月に発行された「多様な性への理解の促進と支援のための金沢市職員・教職員ハンドブック」では災害時の対応として、性の多様性を十分理解した上で、避難者対策を行う必要性と、避難所での対応が明記されています。
2016年の熊本地震から避難所でのプライバシーを守ることが課題となりました。性的少数者に対する災害時の配慮について避難所運営マニュアルに盛り込んでいる自治体も増えて来ています。本市でもプライバシーや人権を守る避難所運営を目指して頂きたいと思いますが、避難所におけるLGBTQへの配慮について本市のお考えをお伺いし私の質問を終わります。
(市長)また災害時の避難所においては性の多様性を理解した上で避難者対応を行う必要があるため受付時の記載内容の見直しや男女共用スペースの設置など今後出来る限り配慮に努めてまいりたいと考えております。また避難者に配備してある間仕切りやテントを活用しプライベート空間の確保にも努めてまいりたいと考えております。今後平時から多様な性の方がいることを考慮した防災訓練や物資の調達などの実施し、避難者対策を進めていきたいと考えております。
2022年09月19日 12:27